
株式会社東京ドームは、2012年1月期から2016年1月期までの5年間を計画期間とする新中期経営計画(計画名:「起動」−新たな挑戦に向けて−)を策定しました。
2011年1月30日、東京ドームシティ アトラクションズにおいて、お客様がお亡くなりになるという大変痛ましい事故が発生しました。現在、このような事故を二度と起こさないために当社グループ全体で安全管理体制を立て直していますが、安全体制の確立と安全文化の醸成は新中期経営計画で取り組まなければならない最優先課題であると認識しています。
当社グループは金融事業やゴルフ・リゾート事業から撤退したのち、前中期経営計画「Scale-up」において成長戦略の具体化を目指しました。東京ドームシティにおけるミーツポート、ジオポリス、スプラッシュガーデンの開業に加えて、TDポイントプログラムの実施やスパ イアスの運営業務の受託など、新たな取り組みを行いましたが、世界的な金融危機の影響もあり、成長の軌道を描くには至っていません。他方で、企業経営を取り巻く環境は年々厳しくなっています。CO2対策、耐震補強、IFRSなど法規制や国際ルールへの対応が厳格に求められる一方で、長引くデフレや少子高齢化などへの対応も欠かせません。
現状は厳しさばかりが目につきますが、2011年12月に創立75周年を迎える当社が、「80周年に向けて再スタートを切る。知恵を絞って新しいことにチャレンジする。明日を変えるために動き出す」という意味を込めて、新中期経営計画を「起動」と名付け、さらに「−新たな挑戦に向けて−」というサブタイトルを加えました。世の中が大きく変動して、将来の予測が一段と困難な時代ですが、東京ドームシティにおける耐震補強工事の完了を2015年3月に予定しており、タワーランド再開発工事を含む新規事業も5年以内に着手もしくは完了に至る可能性を見込んで、2012年1月期から2016年1月期までの5年間を計画対象期間としました。
新中期経営計画「起動」では、
1. 5年後の連結営業利益100億円(3年後の連結営業利益90億円)
2. 5年後の連結有利子負債1,700億円(3年後の連結有利子負債1,850億円)
3. 配当性向30%を目途とする配当の実施並びに自社株買入消却
を「経営目標」として掲げます。
| 2011年1月期 実績 |
2014年1月期 見込み |
増減 | 2016年1月期 見込み |
増減 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 連結営業利益 | 8,663 | 9,000 | 337 | 10,000 | 1,000 |
| 連結有利子負債 | 191,900 | 185,000 | △6,900 | 170,000 | △15,000 |
また、経営課題として浮上してくる【収益逓減傾向からの脱却】【新たな成長戦略の研究開発】【経営体質強化への取り組み】の解決を図るため、各種施策を講じます。
当社グループの本拠地である東京ドームシティの収益逓減傾向から脱却するため、(1)新市場の開拓(MICE市場、新興国市場、東京ドームの多目的利用)、(2)東京ドームシティにおける開発投資(パラシュートランド・タワーランド再開発、黄色いビル・青いビル耐震補強工事後のリノベーション)、(3)収益逓減傾向からの脱却に向けたグループ全体での取り組み(TDポイントプログラムのマーケティング活用、札幌後楽園ホテルのリブランド[2011年4月1日より東京ドームホテル 札幌に名称変更]、費用対効果を重視したコスト・コントロールの徹底)などの施策を講じます。
東京ドームシティ外での新たな切り口での事業展開を図るべく、(1)アライアンスやM&Aによる外部進出の検討、(2)カジノ事業に関する研究、(3)新たなビジネスモデルに関する調査研究(東京ケーブルネットワーク(株)による地域WiMAXの利用および活用、デジタルサイネージの事業化、人気の高いグッズやフード類のネット通販などによる全国販売)など、今後の成長戦略に関する研究開発を進めていきます。
「起動」の対象期間においては、すでに2010年4月から東京都環境確保条例による温暖化対策の第一計画期間に入っております。そして、2016年3月までには改正耐震改修促進法への対応が求められます。早ければ2017年1月期から強制適用となる国際会計基準IFRSへの対応も事前に必要なため、(1)CO2対策、耐震補強、IFRSなど法規制や国際ルールへの対応を行います。また、従来の中期経営計画でも中心課題に位置付けていた財務体質の改善策として、(2)有利子負債の削減に努める一方で、(3)組織の再編を行い、経営環境の変化へのスピーディかつ柔軟な対応を可能とする企業体質の構築を図っていきます。
※ 以上の記載内容のうち、将来の計画数値や施策などに関する記述については、不確実な要素を含んだものとご理解ください。