株式会社東京ドーム

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IR情報

トップメッセージ

新中期経営計画「新機軸」がスタート。
次世代の価値創造に向け、
さらなる一歩を。

代表取締役社長 執行役員

長岡勤

2016年1月期の業績の振り返りと
前中期経営計画「起動」の総括

 2016年1月期に最終年度を迎えた5ヶ年中期経営計画「起動」は、初年度に遊戯機器の事故や震災があり、かなり厳しい状況下でのスタートとなりましたが、グループ一丸となって取り組み、目標を達成することができました。新設した安全推進室が中心となり、グループ全体で安全・安心への体制づくりに注力したことが目標達成の礎となったと考えます。もちろん、さらなる安全・安心を追求する取り組みは必要ですが、この最優先課題に、自信の持てる手応えを得られたことが、事業成長を牽引する一助になったと感じています。

 「起動」では、達成すべき経営課題として、「収益逓減傾向からの脱却」「新たな成長戦略の研究開発」「経営体質強化への取り組み」の3つを実行してきました。

 1つ目の「収益逓減傾向からの脱却」では、「最終年度の連結営業利益100億円」という目標数値を計画3年目に前倒しで達成しました。以降、3年連続でこれを上回る業績を残せたことは、一定の利益を確保できる基盤を確立できたと認識しており、新中期経営計画「新機軸」の推進力になると考えています。

 また収益力の向上に伴い、「経営体質強化への取り組み」も進みました。「連結有利子負債残高1,700億円」という目標も1年前倒しで達成し、2016年1月期には、1,586億円まで圧縮することができました。また、計画1年目こそは無配でしたが、2年目には1株当たり5円配当と復配を果たし、4~5年目には1株当たり6円配当とする増配も叶いました。

 「新たな成長戦略の研究開発」については、ASOBono!やスポドリ!、TeNQといったこれまでにない施設開発が進みました。しかしながら、成果は東京ドームシティ内に限られ、計画スタート時に期待していた外部での新たな展開については積み残したものと感じています。ただ、コンテンツを一度導入したら終わりでなく、内容自体をブラッシュアップし、新たな価値を加えることで、継続的に収益を上げていこうというモチベーションは、グループ全体でかなり高まってきており、今後の展開へ期待が持てる状況になってきていると感じています。

2016年1月期業績ハイライト

売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
85,875百万円
前期比3.2%増
12,737百万円
前期比13.0%増
10,636百万円
前期比16.4%増
4,559百万円
前期比38.7%減

5ヶ年の新中期経営計画「新機軸」で達成すべき4つの経営目標

 「新機軸」というタイトルには、未来の会社の姿を想像しながら「軸を新しくつくろう」という気持ちを込めています。サブタイトルは「次世代の価値創造」としましたが、東京ドームグループが100年企業へと成長の軌跡を描いていくためにも、先を見据えながら、「方針を、今、ここでしっかり固めていこう」というのが、今回のテーマです。これまで以上に事業投資を増やし、積極的に新しいことに挑戦していきます。そして、前中期経営計画「起動」で積み残した「成長戦略としての外部事業への進出・新事業の開拓」を推進していきます。

 経営目標としては、以下の4つの指標を掲げています。

 1つ目は、「収益性の向上」を示す連結営業利益目標です。計画の1〜3年目は、2016年8月の開業50周年を機とする熱海後楽園ホテルのみさき館・ホール棟の営業終了に伴い、現状の100億円レベルの維持を目標としています。そして続く4〜5年目には、次なる施設の運営を開始させて130億円レベルにまで引き上げる計画です。投資すべきところにしっかり投資し、価値を高める取り組みを継続すること、新しい方向性 “新機軸” を確立すること、その結果として利益を積み上げ、目標達成を目指していきます。

 2つ目は、「財務体質の改善」として、引き続き連結有利子負債の圧縮に努め、残高を1,390億円までに低減させます。

 3つ目は、「資本運用の効率性」を示す値として、5年後の連結ROA(総資産経常利益率)4%、連結ROE(自己資本利益率)6%を目標に掲げました。当社グループのように、大きな資産を持ち、その価値を常に高めながら、収益力を向上させる事業展開では、大掛かりな更新投資の実行、それに伴う減価償却費の発生もあります。また、アミューズメント施設の流行は移り変わりが早く、時流に合わない資産を維持しても収益を生まないことから、早々に新たな施設へと入れ替えていく必要もあります。その際には、資産の滅却損などが発生する確率が高くなり、(親会社株主に帰属する)当期純利益の変動要因となるため、その結果、ROEの変動幅も大きくなります。そこで、変動要因の少ない経常利益を分子としたROAも合わせて目標指標に定めました。資産額が大きい当社グループにとって、ROAを引き上げるのは、確かに難しい挑戦ではありますが、着実に向上させていきたいと考えています。

 4つ目は、「安定配当と収益に連動した配当」の実施です。1株当たり最低12円の安定配当をお約束するとともに、(親会社株主に帰属する)当期純利益が60億円を超えた部分について、収益連動型の配当を実施することとしました。これにより、事業成長の成果を直接的に株主還元へ反映していけると考えています。

「新機軸」における連結営業利益と連結有利子負債残高の推移のイメージ

連結営業利益
プロ野球のポストシーズンゲームやオールスター等の開催は織り込まないことに加え、熱海後楽園ホテルがタワー館のみの営業となることから、計画中盤まではいったん減益を余儀なくされるも、「起動」で培った100億円の営業利益水準を維持。計画後半からの増益・リーマン・ショック前のレベルへの復活を目指す。

連結有利子負債残高
継続して圧縮。なお、「新機軸」期間中の設備投資は総額430億円を予定。

8つの経営課題と主な取り組み

①東京ドームシティ事業の利益水準の維持と拡大

 付加価値を高める施設リニューアルや設備更新への投資をこれまで以上に実施し、利益水準の維持・拡大を狙います。まず、東京ドーム開業以来初となる、座席や照明、音響システムなど大規模なリニューアルを実施します。また、開業から13年が経過したLaQuaや、東京ドームシティ アトラクションズのリニューアルも検討しています。同時に、これまで実施してきた新たなコンテンツの開発も加速させながら、安定的に利益を確保し、強固な事業基盤を築いていきたいと考えています。

②新たな成長戦略の研究開発と、東京ドームシティ事業以外の既存事業の成長

 このテーマにおける最大の取り組みが熱海事業です。熱海後楽園ホテルのみさき館・ホール棟の営業は2016年8月末で終了となり、当面はタワー館のみの営業とします。みさき館・ホール棟の跡地は、旅行やリゾート滞在スタイルの変化にマッチした、次世代型の施設を計画しており、この「新機軸」期間中の開業、収益貢献を目指します。

 松戸競輪場でも耐震強化を含めた建物・設備のリニューアルを実施し、施設価値のポテンシャルを高めていきます。

 そのほか、ハード面での取り組みではなく、東京ドームグループがこれまで培ってきたノウハウやコンテンツの商品化など、ソフト面での取り組みを強化し、新規事業として社会に提供していきたいと考えています。

③人手不足への対応

 経営理念に “感動の共有” を掲げる当社グループ事業には、お客様とのふれあいの中で感動を共有できる「人」が絶対的に必要であり、人の育成は安全・安心と並ぶ大きなテーマです。この経営理念への理解を改めて促し、従業員一人ひとりが、意識を高め、現場スタッフの教育者になることが必要です。これをサポートするため、2月にグループ全体の教育を司る「東京ドームグループ教育センター」を開設しました。この教育機関を機能させ、サービスレベルの高い従業員を持続的に育成していきます。こうした真摯な取り組みは、離職率の低減への効果もあると期待しています。

④「安全文化」の浸透・保持

 安全・安心の取り組みに終わりはなく、常に重点施策に記し、眼前に掲げ続け、一層のきめ細やかな対応を追求する姿勢が、これまでつくり上げてきた「安全文化」の形骸化を防ぐことになります。施設・設備の老朽化に対して先手を打つ更新投資の継続はもちろん、安全マネジメントシステムの推進と拡充、オリンピック開催を見据えたテロ対策の強化や、防災・防犯の教育、訓練活動の拡充も進め、「いつも安全・安心な環境を保ち続ける取り組み」をさらに強化していきます。

⑤コーポレートガバナンス・コードとスチュワードシップ・コードへの対応

 コーポレートガバナンス・コードの趣旨に沿ったガバナンス体制を設計するとともに、ステークホルダーの方々との対話を大切にしていきます。「新機軸」についても数字だけが一人歩きすることなく、私たちが目指しているもの、やり遂げたいことをしっかりとご理解いただき、当社グループに興味を持ち、応援していただける方を増やしていきたいと思っています。

⑥「東京オリンピック・パラリンピック」「訪日外国人のお客様」への対応

 誰もがいつでも気軽かつ快適に楽しめることを追求する当社グループでは、訪日外国人のお客様が増えている中、案内看板などのハード面の整備と合わせて、多言語化や免税対応などソフト面での整備を加速させていきます。

⑦人口動態の変化に伴う消費行動の変容への対応

 少子高齢化が進展する日本において、高齢者の方に楽しんでいただけるコンテンツを提供することはもちろん、バリアフリーを意識したハードでのユニバーサル化も進めていきます。また、少子化が進んでいると言われる中でも、当社グループ施設には本当に多くの親子連れが訪れます。中高生、大学生をはじめ、各年齢層の方々に魅力的なコンテンツを提供することで、さらなる来場活性化を図っていきます。

⑧グループ経営体制の強化

 投資方針に基づき、すべての事業について、常に事業性を多方面から総合的に評価し、グループとして最適な事業ポートフォリオを構築しながら、さらに機能を高めることを目指していきます。また、グループ間で情報を共有し、コンテンツの横展開やイベントの共同開催なども拡大し、グループとしての成長を加速させていきます。

次世代の価値創造に向けて

 新中期経営計画「新機軸」は、当社グループとステークホルダーの皆様の未来のために、これから何を行っていくべきなのか、次世代の価値創造に向け、その方向性を決めていくところからスタートしています。

 これまでと同様のビジネスモデルだけでなく、別のやり方が必ずあると確信しており、5ヶ年のうちの1〜2年目でその方向性 “新機軸” を確立し、3年目以降、具体的に実現させていきます。この5ヶ年で、次世代の価値創造のための基礎をしっかり固めることが、私に与えられたテーマであると自負しているところです。引き続き、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

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